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男はつらいよ 寅次郎と殿様(19作)芸達者な役者たちの上質な喜劇

男はつらいよ
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作品概要

「男はつらいよ 寅次郎と殿様」は1977年8月6日に公開されたシリーズ19作目。

渥美清がゲストの嵐寛寿郎、三木のり平と共に喜劇を繰り広げ、派手な作風ではないものの安心して観ていられる大人の喜劇に仕上がっています。また、寅次郎の叔母つねが所々で細かなボケを突っ込んでくるところも見どころ。

評価:★★★☆☆

主なキャスト

  • 車寅次郎(主人公):渥美清
  • さくら(妹):倍賞千恵子
  • 竜造(叔父):下條正巳
  • つね(叔母):三崎千恵子
  • 博(さくらの夫):前田吟
  • タコ社長(隣りの印刷工場の経営者):太宰久雄
  • 題経寺の御前様:笠智衆
  • 源ちゃん(寺男・寅の舎弟):佐藤蛾次郎
  • 執事(吉田):三木のり平
  • 殿様(藤堂久宗):嵐寛寿郎
  • 鞠子(マドンナ):真野響子

あらすじ

五月の節句。「とらや」の裏庭では、博が満男のために買った立派なこいのぼりを上げていた。そこへ寅次郎が小さなこいのぼりをみやげに帰ってくる。博は気を悪くさせないように慌ててこいのぼりを降ろすが、その様子を寅次郎に見られてしまう。さらに、居ついた犬に「トラ」と名づけてしまったため、怒った寅次郎はすぐに出て行ってしまった。

四国の伊予で寅次郎は訳ありふうの女や浮世離れした老人に出会う。その老人は世が世なら伊予大洲の殿様となっていた藤堂久宗だった。藤堂は身分違いを理由に結婚を反対した亡き次男の嫁・鞠子に一目会いたいと言い、寅次郎は東京に帰ったら探してやると安請け合い。

柴又じゅうを探しても鞠子が見つからず諦めようとしたとき、寅次郎は伊予で知り合った女性と再会。その女性こそが鞠子だった。

感想・考察

今作をひと言で表すと「オッサン三人が繰り広げるコメディー」です。

殿様を演じる嵐寛寿郎、執事役の三木のり平、そして寅次郎の渥美清が真剣にコメディーを演じ、観る者はなにも余計なことを考える必要なく、ただ笑って観ていられる作品になっています。

ただし、この三人が喜劇を繰り広げるぶん、寅次郎とマドンナとのストーリー性は希薄。前作の京マチ子と前々作の太地喜和子が演じた存在感の強いマドンナたちに比べると、真野響子が演じる今作のマドンナは霞んでいるというしかありません。

もちろん、真野響子の女優としての力量が原因ではなく、この回の脚本がマドンナの存在感を薄いものにしているせいです。真野響子にとっては、ハズレくじを引いたような出演かもしれません。

それでもなんとか寅次郎の恋物語的な要素を入れようとはしていますが、オッサンたち三人が本気で作り上げる喜劇の前には、なす術もありません。とくに忠臣蔵のパロディーシーンは、せんべいでもかじりながら観ていられる懐かしくも楽しい昭和のお笑いがあります。

やっぱり渥美清は初代の竜造おいちゃんを演じた森川信をはじめ、財津一郎やミヤコ蝶々など腕の立つ喜劇俳優と絡んだときこそ、それぞれの化学反応でよりおもしろくなります。

ボケまくる、おばちゃん

細かい見どころですが、三崎千恵子が演じるおばちゃんが、ちょいちょい天然的なボケを繰り出すところも見逃せません。

まずは冒頭「とらや」での会話。犬に「トラ」と名づけたために、おばちゃんが失言を繰り返します。
竜造:「そういや、そろそろけえってくる時分だな」
つね:「ポチかい? いや違った、寅ちゃんかい?」

次は寅次郎に犬の名前が「トラ」だとバレたときのおばちゃんのセリフ。
つね:「あら、おんなじ名前だね。あたし、ちっとも気がつかなかったわ!」
竜造:「でも、犬のほうはカタカナだろ?」
つね:「あら、そうね! 寅ちゃん、漢字だものねぇ」
竜造:「もう捨てちゃえ、その犬」
つね:「そうだよね。ウチには寅ちゃんて立派な犬が……」
のダメ押しで寅次郎を本気で怒らせてしまいます。

殿様が「とらや」を訪ねてきたときも、背広に蝶ネクタイ、山高帽の姿を見て、
さくら:「へんなお爺さんね」
つね:「手品使いじゃないかい?」
とボケています。

さらに、長男の家に帰ると言う殿様に「お籠かなんかで?」、東京には何度か来たことがあると聞くと「やっぱり参勤交代で?」と大ボケをかましています。

今作は芸達者な男たち三人と、細かくボケを挟んでくるおばちゃんの大活躍で、マドンナを演じた真野響子さんには気の毒としか言いようがありませんが、心がほっこりする上質な喜劇になっています。

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