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ローズマリーの赤ちゃん | なぜこの映画が「元祖ホラー映画」として今でも名作なのか

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SF・ホラー
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売れない俳優のガイとその妻ローズマリーは、古いアパートに引っ越してくる。隣人の老夫婦はなにかと押しつけがましく世話を焼いてくるので、若い二人は辟易気味。しかし、なぜかガイは不思議と老夫婦と親しくなるが、ローズマリーは妊娠を期に彼らに不信感を抱くようになる。

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悪魔とは、自分の利益のために平気で他人を利用する人たち?

すべてのホラー映画は、この作品から始まったと言われる名作ですが、今の感覚で観るとホラーとしてはまったく怖くありません。

アンチキリストや悪魔の子を産むなどの設定は、その後の『オーメン』に受け継がれているのがわかりますが、刺激の強い現代のホラー作品に慣れてしまった感覚で観ると、ホラーというよりスリラーと感じます。

しかし、それで今作の価値が下がるかといえば、そうとは言えません。ほんとうに怖いのは人間だ、とよく言われますが、今作を観るとまさにそう思います。

今作が公開された当時、アメリカでは元祖ゾンビ映画『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968)、『エクソシスト』 (1973)、『悪魔のいけにえ』(1974)、『オーメン』(1976)など、現代では「古典的名作」と呼ばれるホラー映画が相次いで制作されました。

またこの時期は、音楽シーンでも大きな動きがありました。1969年8月には伝説的な野外ライブとなった「ウッドストック・フェスティバル」がニューヨークで開催され、ジャニス・ジョプリンやジミ・ヘンドリクスなど、錚々たるアーティストたちが出演、3日間で約40万人の反戦思想を持つ若者たちが集まりました。

こうした動きの背後にあるのは、キリスト教を土台に築かれてきたアメリカ社会に堆積した数多くの問題が堰を切ったように噴出し、若者と親世代とのあいだに大きな断絶が生じたためでもあるでしょう。

神が創造し見守っているはずの世界で、なぜ悲惨な戦争が相次ぐのか? 1955年から20年間にわたって続けられたベトナム戦争では約400万人の若者が徴兵され、多くの者は帰らず、帰還できた者の中にもPTSDに苦しまされた者が多くいました。

こうした時代の中では、悪魔が一方的に悪と決めつけられることに疑問を持たれるのも当然でしょう。誰も救ってくれない神やキリストへの不信感、そうした社会を作り支配している世代への怒りや憎しみが、既存の価値観へのアンチテーゼとして次々とホラー映画を生み出した(少なくとも一つの)要因であることは間違いありません。

『ローズマリーの赤ちゃん』は、自分の利益のためなら平気で他人を利用する者と、彼らに搾取される者という普遍的な人間関係を描いていることが、今でも名作と言われるゆえんでしょう。

他人を利用しようとする連中は、今の時代もゴロゴロしています。そんな中で、まともな人ほど神経を病んで社会の底に落とされていく。まさに社会のほうがリアルホラーですね。

ちなみに、ローズマリーを演じたミア・ファローは2006年のリメイク版『オーメン』で、幼いダミアンの乳母ベイロック夫人を演じています。こちらもレビューを書いてあるので、ぜひご覧ください。

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