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エクソシストⅢ (Legion):神はなぜ、いつも見てるだけ?

SF・ホラー

【エクソシストⅢ あらすじ】

1990年、ワシントン州ジョージタウンで黒人少年の変死体が発見された。遺体は首を切り落とされ、キリスト像の頭部にすり替えられていた。さらに右手の人差し指も切断され、左掌には双子座のマークが彫られているという手口は、15年前に死刑に処された「双子座殺人事件」の猟奇殺人犯と同じ手口だった。

その直後、キンダーマン警部補の友人であるジョセフ・ダイアー神父が入院中の病院で変死した。ダイアー神父は体中の血液を抜かれ、その血液はカップの中にこぼれることなく整然と入れられていた。その病院を調査中、キンダーマン警部補は隔離病棟にいる男が、15年前に死んだカラス神父だと気づく。

  • 監督・脚本・原作・制作:ウィリアム・ピーター・ブラッティ
  • 配給:20世紀フォックス
  • 公開:1990年8月17日(米国)、1990年11月17日(日本)
  • 上映時間:110分
  • キンダーマン警部補:ジョージ・C・スコット
  • 双子座殺人鬼:ブラッド・ドゥーリフ
  • カラス神父、双子座殺人鬼:ジェイソン・ミラー
  • ジョセフ・ダイアー神父:エド・フランダース
  • モーニング神父:ニコール・ウィリアムソン

始まった瞬間、「やっぱり、これだよ!」と、思ってしまったくらい、これこそが『エクソシスト』の正統な続編と断言できるのが今作です。前作の『エクソシストⅡ』は原作者のウィリアム・ピーター・ブラッティ自身もかなり不満だったようで、1作目で彼のお気に入りキャラだったキンダーマン警部補を主人公として、悪魔と対決します。

ちなみに、原作となったブラッティの小説タイトルは『Legion』。日本語では「大勢」という意味で、劇中では聖書の中にある箇所をキンダーマン警部補が読み上げます。

イエスは悪霊に憑りつかれた男に言った。「名は、なんという」。彼は答えた。「レギオン。大勢だから」

今作の悪魔(というか悪霊)はパズズのような大物ではありませんが、無差別に人を殺め続けてきたという点ではパズズよりも質が悪いかもしれません。この男自身は魔物界の小物でしょうが、その周囲には彼が友達と呼ぶ「大勢」の仲間たちがいます。

そして、この悪霊の許せないところは、他人の体を使って人を殺め続けるところです。自分の手は汚さず、他人を操りながら自分の欲求を満たす。まさに、魔界の住人になるべくしてなったような奴です。

しかし、こういう奴は魔界だけでなく、私たちが暮らすこの世間にもいますよね。自分で直接には何もしないけれど、他人を利用して利得を得ようとする輩ども。そういう奴らは、生きながらにして魔界の住人になっているのかもしれません。

もし、人間の魂が死後も残り続けるなら、悪人たちの魂はどこへ行くのでしょうか。悪魔の元へ呼ばれ、魔界の工作員としてこの世に災いを振りまくのでしょうか。

人が悪魔に恐怖を抱くのは、彼らには実行力があるからです。悪魔はこの世に争いと憎しみと混乱を招くために精力的に活動するようです。ある意味、「勤勉」と言えるほど、仕事熱心でストイックな勢力です。

しかし、そんな状況になっても、神は常に眺めているだけ。イザというときに助けてくれない神では、信仰心など持てなくて当然ですね。主人公のキンダーマン警部補も、悪魔(悪霊)と対峙することで、はじめて神の存在を信じることになります。悪魔が神の存在証明になるとは、なんとも皮肉なことですね。

じっさいに欧米では、無宗教者の割合が増えつつあります。たとえば、2020年時点でのアメリカでは、30%前後が無神論者で、とくに若年層に顕著です。2018年のイギリスでの調査では、無宗教者が50%にもなり、キリスト教徒は40%ほど。ドイツでも2021年にキリスト教の信者は49%にまで落ち込んだそうです。

欧米は移民の増加によってキリスト教徒の割合が相対的に下がっていますが、そうした事情を加味しても、今の欧米は私たち日本人が思っているほど創造主やキリストの存在を信じている人は少ないのかもしれません。

ということは、多くの無宗教者たちにとっては、悪魔や悪霊もエイリアンのようなSF世界の存在と同じなのかもしれません。だからこそ、ホラー作品をエンターテインメントとして楽しめるのでしょうね。

『オーメン』シリーズが、世界を裏側から支配する闇の勢力の存在を背景に描いているのに対して、『エクソシスト』シリーズは、もっと単純に善と悪の戦いを描いています。この「わかりやすさ」が、欧米のホラーファンのみならず、私たち日本人にも受けた理由でしょう。

by カエレバ
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