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ドラマ『天城越え』田中美佐子版のあらすじ・感想(ネタバレあり)

TVドラマ

大正15年、両親の営みを目撃して家を飛び出した少年の多吉は、天城峠で年上の美しい女性ハナと出会ったことがきっかけで人を殺めてしまう。

それから30年。戦後の混乱を経た日本もようやく落ち着きを取り戻し、40代になった多吉は印刷会社を経営し、あの日のことも遠い記憶として忘れかけていた。一人の元老刑事から印刷を頼まれた、あの事件の記録を見るまでは。

前回は田中裕子の映画『天城越え』をレビューしましたが、そのあとAmazon Prime Videoで田中美佐子の『天城越え』ドラマ版を発見したので、続けてレビューしていきます。

方向性としては映画版との比較になりますが、どちらが良いとか悪いということではありません。むしろ今回は、田中美佐子が演じた大塚ハナの魅力について語りたいと思います。

映画『天城越え』あらすじ・感想
映画『天城越え』は松本清張の小説を原作として、思春期の少年が抱える異性への複雑な感情が引き起こした事件を描いています。当時まだ28歳だった田中裕子が艶やかで、どこかはかな気な女性を好演しているところが見どころです。 大塚ハナ:田中裕子 小野...

主なキャストと作品概要

  • 大塚ハナ:田中美佐子
  • 西浦多吉:二宮和也(少年時代)、長塚京三(29年後)
  • 田島刑事:蟹江敬三
  • 原作:松本清張「天城越え」
  • 製作著作:TBS
  • 放送年月日:1998年1月1日(21:00-23:09)
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感想:裕子のハナが陰の魅力なら、美佐子のハナは陽の魅力

演じる人が違えば役のイメージも違うのは当然ですが、映画で田中裕子が演じたハナと、このドラマで田中美佐子が演じたハナはキャラの性格にかなり違いがあり、そこが美佐子ハナの魅力になっています。

映画の裕子ハナは怪しげな色香が漂うようなフェロモン系の艶やかさ。とくに美人というわけではないのに、内面からにじみ出る悲しさや切なさを感じさせます。一緒にいても、きっと幸せにはなれないけれど、それでも放っておけない。そんなふうに思わせる女性です。

対して美佐子ハナはパッとハデな顔立ちの美人で、裕子ハナのような怪しく漂う色香はありませんが、明るく無邪気な性格として描かれています。

とくに多吉と岩に座って川面をバシャバシャ蹴りながらじゃれる姿は、まるで仲のいい姉と弟のよう。15歳くらいの少年なら、誰だってこんな明るくて優しいお姉ちゃんが欲しくなります。

裕子ハナが怪しい陰の魅力なら、美佐子ハナはサバサバした陽の魅力です。

事件から約30年後、すでに刑事を定年退職している田島も、自白したあとに『赤とんぼ』を口ずさんでいたハナが「そのときだけは少女のようでした」と多吉に語りました。

観る人によっては、やっぱり映画の裕子ハナがいいと言う人が多いでしょうが、私はこの美佐子ハナも魅力的だと思います。同じ役どころでも俳優が違えば、まったく別の魅力が引き出される。原作が同じ作品を見比べると、そんな楽しみ方があります。

ささやかなハッピーエンドで、ほっこりとした気持ちに

映画の裕子ハナはせっかく無罪になったのに獄中で亡くなってしまい、観ているほうも救われない気持ちになりました。しかし、美佐子ハナは晩年を能登で静かに暮らしている様子が描かれています。

年老いたハナのあとを追う多吉と、足を止めて振り向くハナ。このシーンは、二人が天城峠ではじめて出会った30年前と同じ構図。

印刷会社を経営していると言った多吉に「一国一城の主だね」と言ったハナは、大人になった多吉に気づいていたのか、そうじゃないのか。どちらとも取れるような演出がウマいですね。

今作は映画版の『天城越え』しか知らない人や、まだ幼いころの二宮和也を観たい人たちには、ぜひチェックしていただきたい作品です。

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