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映画『コンタクト』人類は対立を克服して進化できるのか、それとも?

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SF・ホラー
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映画『コンタクト』は人類と地球外生命体との遭遇が表向きのテーマとなっていますが、その裏では名誉や権力、個人的な主義や感情を巡る人々の対立、そして既存の常識や科学を超越した新しい価値観のせめぎあいが描かれています。

はたしてこの先の人類は対立を克服して、高度な「知的生命体」に進化できるんでしょうか?

※以下のレビューにはネタバレが含まれています。

【主な作品データ】

  • エレノア(エリー)・キャロウェイ(天文学者):ジョディー・フォスター
  • ジョス(神学者、政府宗教顧問):マシュー・マコノヒー
  • ドラムリン(天文学の権威):トム・スケリット
  • 監督: ロバート・ゼメキス
  • 原作:カール・セーガン『コンタクト』
  • 公開(日本):1997年9月13日
  • 上映時間:153分
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映画『コンタクト』あらすじ

天文学者のエリーは、26光年先のヴェガからの信号を受信する。そこには1936年に行われたベルリン・オリンピックの開催式で演説をするアドルフ・ヒトラーの姿と、時空を超える転送装置の設計図が記されていた。人類史上初となる地球外生命体とのコンタクトは、地球人の間に様々な対立を巻き起こす。

感想:今じゃ地球外知的生命体の存在は、もう常識?

久しぶりに観た映画『コンタクト』ですが、このレビューを書いている最中の2024年11月13日に、アメリカ連邦議会下院で2023年に続いて2度目となる「UFO公聴会」が開かれました。

公聴会の冒頭では共和党のメイス議員が「この公聴会が開催されることを望まなかった特定の人物たちがいる」と、開催について圧力があったことを非難する声明を出しています。

公聴会では政府のUFOに関する研究プログラム「AATIP(先端航空宇宙脅威特定計画)」の責任者だったルイス・エリゾンド氏が「UAP(UFO)は実在する。それはアメリカ政府や他の政府によって作られたものではない」と証言したことが注目されています。

また、2025年から2度目の米国大統領に選出されたトランプ氏も地球外生命体の存在に肯定的なので、いわゆるエイリアンの存在が公表される日は近いかも知れません。

映画『コンタクト』では「この広い宇宙にいる知的生命体は地球人だけなのか?」が繰り返し問いかけられていますが、現在はすでに宇宙人の存在についてYesかNoかと議論している段階ではなさそうですね。

とは言え、宇宙にいる知的生命体がすべて地球に対してフレンドリーとは限りません。

劇中でNSA(アメリカ国家安全保証局)のキッツ(ジェームズ・ウッズ)が主張したとおり、地球を侵略しようとする異星人がいてもおかしくありません。それどころか、人類は太古の時代から悪い異星人によって支配されているという説もあります。

もし、悪意のある異星人がコンタクトしてきたら?

残念ながら今の地球人は手も足も出ません。アメリカ空軍が異星人を撃退するなんて幼稚なストーリーはハリウッドでしかありえないので、むやみに異星人とはコンタクトしないほうが無難です。

ところが、1977年に打ち上げられたNASAのボイジャー1号と2号には、地球の音楽や人類の画像などを記録したレコードが搭載されました。異星人に地球や人類のことを知ってもらうパンフレット的な性質だったそうですが、あまりにナイーブ(アホ)すぎる発想です。

このレコードの制作には今作『コンタクト』の原作者カール・セーガンも関わっていたそうですが、彼は異星人との安易なコンタクトには驚異が伴うことも承知していたようです。

だったら送るなよ! と突っ込みたいところですね。

あなたは神を信じますか?

エリーはパーティー会場で、神はいるのかと神学者のジョスに問いかけます。

いるとしたら、なぜ神は身を隠しているのか? それとも神は人類が心の拠り所を求めて創り出した架空の存在なのか? エリーにしてみれば母親は自分を産んだときに亡くなり、父親も彼女が9歳のときに亡くなってしまったのですから、この世に神などいないと思いたくなるのもムリありません。

神がいるかどうかなんて論争に答えはありませんし、たぶん人類が行うもっとも不毛な論議です。

もうはるか昔のことですが、会社に行くと女性社員が先輩の男性社員と神の存在について朝っぱらから論争していたことがありました。

彼女は敬虔なクリスチャンなので、神なんていないという先輩にモーレツな勢いで食ってかかります。ふだんはおっとりキャラの彼女が目を釣り上げている姿にウンザリしましたし、先輩に対しても朝から余計な騒ぎおこしてんじゃねーよアホ! という気持ちになったことを覚えています。

もし神がいるとしても、白いヒゲで杖を持ったお爺さん、じゃないと思いますけどね。

それぞれの思惑と対立

今作では互いの利益を巡る各自の対立が描かれています。

まずは天文学の権威ドラムリン。こいつはエリーの研究を邪魔するだけでなく、彼女の手柄を恥ずかしげもなく横取りする卑怯者。とにかく名誉に固執する、いかにも「学者らしい」キャラです。

このドラムリンを演じるトム・スケリット、どこかで見たことあると思ったら、1986年の映画『トップガン』でトム・クルーズ演じるマーベリック達の教官ヴァイパーを演じていた人ですね。

次にエリーの邪魔をするのは、神学者のジョス。

誰がヴェガに行くのか? その選考会でジョスはエリーに「神の存在を信じますか?」と訊きます。こいつはエリーが神を信じていないことを承知で、わざと訊いてます。それはただ、彼女に行ってほしくないから。

女々しい奴ですね〜。自分の恋心のために彼女の夢を阻止しようとする男なんてドン引きじゃないでしょうか。

ジョスを演じたマシュー・マコノヒーも、2014年のSF映画『インターステラ』で時空を超えるパイロットを演じています。『コンタクト』と『インターステラ』の両方に出演してるなんてスゴイですね、持ってますね。

神を信じない者を人類の代表にはできん! という理由で、エリーはヴェガ行きのチャンスを逃してしまいますが、日本人にはちょっと理解できない感覚ですね。

しかし考えてみると、キリスト教もイスラム教もユダヤ教も、元を辿れば同じ神を崇めているんですよね。そのくせ互いに対立していると。

なんだ、この世に対立を生み出しているのは神じゃないか!

時間はどこでも等しく同じなのか?

そして今作で扱われたもう一つのテーマは時間です。

エリーが乗ったポッドが落下してネットに落ちるまでの時間は、わずか1秒。今回の計画は失敗と判断されますが、彼女のビデオには18時間分のノイズが記録されていたことが判明します。

当初の計算では、ヴェガまで行って帰ってくると、エリーにとっては4年間の月日ですが、地球では50年が経過しているはずでした。ところが実際にはわずか1秒間。

ワームホールを通ったからって、いくらなんでも早すぎだろ! と突っ込みたいところであります。

ちなみに時間はどこでも誰にでも同じ速さで流れているというのが常識ですが、厳密には地球上でも時間は一定じゃないことが証明されています。

2020年に東京大学と理化学研究所が、東京スカイツリーの地上と展望台での時間差を計測しました。その結果、地上と展望台とでは1日あたり約4ナノ秒の時間差があることが確認されました。これは地上より重力の影響が小さい展望台では、時間がわずかに速く進むということです。

ということは、タワーマンションの最上階に住むセレブな奥様や、年じゅう空の上を飛んでるCAのお姉さんたちは老けるのが早い、ということですね。美容のためには、地べたで暮らす庶民の暮らしが一番いいようです。

結局、人類は対立を乗り越えて進歩できるの?

エリーはヴェガ行きの選考会で、彼らはどうやって対立を克服して進化を遂げたかを尋ねたいと言います。

これまで人々の対立のせいで散々な目に遭ってきたエリーにとっては、心の底から知りたいことだったんでしょう。

ヴェガ星人は言います。「我々は気づいた。孤独や虚しさを埋めてくれるのは、互いの存在だと」。そして「焦ってはいけない。気長に行こう」と言って、エリーを地球に帰します。

気長に行くのはいいんですが、はたしてそれまでに人類は共存して生きていけるんでしょうか?

今でもロシアとウクライナ、イスラエルとパレスチナが戦争中で、今後は中国が台湾に攻撃を仕掛けると懸念されています。人によっては、すでに第三次世界大戦の「戦前」だと言う声もあります。

人類が常に戦争を繰り返すのは、悪者エイリアンが操るディープ・ステート(世界を牛耳る闇の政府)の陰謀だという都市伝説もありますし、アメリカ先住民のホピ族の言い伝えでは人類は過去に3度も文明を滅ぼし、今が4度目だとも言われています。

まあ都市伝説は置いとくにしても、人類は互いに滅ぼしあうのが既定路線と考えるほうが自然な成り行きに思えてしまいます。

とすると「気長に行こう」なんていうヴェガ星人って、けっこう無責任ですね。たったそれだけ言うためにコンタクトしてきたんかい!って突っ込みたくもなります。

なんだか、この映画『コンタクト』を観ると、人類に対して絶望しか感じない虚しさが残りました。