***当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています***

男はつらいよ 噂の寅次郎(22作)昭和にあった結婚適齢期という同調圧力?

スポンサーリンク
男はつらいよ
スポンサーリンク
スポンサーリンク

作品概要

「男はつらいよ 噂の寅次郎」は1978年12月27日公開のシリーズ22作目。

夫との離婚を控えている美しく物静かなマドンナ早苗を大原麗子が演じています。そんな早苗とは対照的に、しゃべりだしたら止まらない女性を泉ピン子が熱演。

シリーズ全体の中では地味な作品ですが、久しぶりに寅次郎とマドンナの関係がしっかり描かれている佳作となっています。

評価:★★★★☆

主なキャスト

  • 車寅次郎(主人公):渥美清
  • さくら(妹):倍賞千恵子
  • 竜造(叔父):下條正巳
  • つね(叔母):三崎千恵子
  • 博(さくらの夫):前田吟
  • タコ社長(隣りの印刷工場の経営者):太宰久雄
  • 瞳(旅先の女):泉ピン子
  • 肇(早苗のいとこ):室田日出男
  • 飈一郎ひょういちろう(博の父):志村喬
  • 早苗:大原麗子

あらすじ

「とらや」で早苗という女性が働き始めた。早苗は夫との離婚を控えているため、自立しようとしている。美しいが、どこか影のある早苗に惹かれる寅次郎。

役所に離婚届を出した早苗は、それまで張りつめていた心のタガが外れて「とらや」で泣き崩れてしまった。その夜、久しぶりに「とらや」で楽しく夕食をとった早苗は、うれしさのあまり「わたし、寅さん好きよ」と告げる。

寅次郎がすっかり有頂天になっていたころ、早苗のいとこの肇が「とらや」を訪れ、故郷の小樽に転勤すると言う。幼いころから早苗に想いを寄せていた肇は、早苗を頼むと言って去っていく。入れ違いに帰ってきた早苗に、寅次郎は肇のあとを追わせた。

感想・考察

早苗は離婚にハッキリした理由はなく、ただ、夫を好きになれなかったと言います。じゃあ、どうして好きでもない男性と結婚したのかというと、昭和という時代の価値観に流されたのかな? と思います。

今どきの女性にはとても信じられないでしょうが、当時の女性には25歳ころまでには結婚して家庭に収まる「結婚適齢期」と言われる時期がありました。そのため25歳を過ぎても独身の女性は(売れ残った)クリスマスケーキと揶揄されることもあったほどです。

男女雇用機会均等法もなかった当時は男性より給料が安いことも多く、適齢期を迎えた女性は手ごろな相手と結婚することが珍しくありませんでした。早苗がなんとなく結婚してしまったのも、そんな昭和という時代の雰囲気に流されたせいでしょう。

しかし、なんとなく結婚すると離婚する夫婦が増えるのも当然の成り行きです。

日本の離婚件数を調べてみると、1950年代から60年代までは7万~9万件で推移していたのが、70年代には10万件を超えるようになり、今作が公開された78年は約13万件となっています。※ちなみに90年代以降は20万件超。

今作のマドンナ早苗が離婚を控えている設定なのは、こういう世相を表していたのかもしれません。

早苗は寅次郎の優しさに好意を持ち、うまくいくかと思えます。しかし、そうはいかないところが「渡世人のつれえところ」。肇の早苗に対する想いの深さに、寅次郎はとても敵わないと悟ります。

肇が「とらや」を去ったあと、早苗は「寅さん、わたしね……」と何か言いかけますが、寅次郎は小さくうなずいて「明日聞くよ」と言って追いかけさせます。

出来不出来の差が大きい『男はつらいよ』シリーズですが、前作が派手で賑やかだったためか、今作はちょっと地味な印象です。しかし、昭和の美人女優 大原麗子のしっとりした美しさを堪能できるだけでも満足できる作品です。