ドラマ『幸福の黄色いハンカチ』(菅原文太主演)レビュー第5話

幸福の黄色いハンカチ
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作品概要

1982(S57)年にTBSテレビ系列で放送された『幸福の黄色いハンカチ』は、1977(S52)年の同名映画をテレビドラマ化したもの。主人公に菅原文太、その妻には泉ピン子を起用し、目的地を最北の稚内に変更するなど映画版とは一味違った作品となっています。

今作はテレビドラマ1時間枠×5回と時間に余裕があるため、ロードムービーとしての描写も映画版より充実しています。そこで道産子である当ブログ管理人が御当地ネタも交えながら、各話ごとにレビューを綴ってまいります。

最終回となる第5話は、とうとう勇作が稚内に辿り着きます。はたして光枝は待っていてくれるのでしょうか? なんて、『黄色いハンカチ』ファンなら結末はご存知ですね。

主な作品データ

  • 島勇作:菅原文太
  • 光枝(勇作の妻):泉ピン子
  • 幸子:田中好子
  • マコト:アパッチけん(中本賢)
  • ヒロミ:光石研
  • 製作:三船プロダクション、TBS
  • 脚本:高橋正圀、朝間義隆、黒土三男
  • 原作:ピート・ハミル 「黄色いリボン」
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第5話レビュー:日本人夫婦らしい再開のしかた

車が稚内に近づくにつれて勇作は落ち着かない様子。柄にもなくドライブインのトイレに駆け込んでしまいます。文太がドライブインのトイレにというと『トラック野郎』を連想しますね。

そんな勇作を見て、またブーブー文句を垂れるヒロミ。ほんとにコイツはいちいちイラッとする奴です。そんなヒロミにマコトは勇作の気持ちを考えろと言いますが、売り言葉に買い言葉で「そんなことだから弁当屋を辞められないんだろ」と関係ないことまで持ち出すヒロミ。ったく、コイツは。

道路標識には稚内まであと14kmとあります。それを聞いた勇作は、またまた引き換えして札幌へ行こうと言い出します。「どう考えたって、あいつが一人でいるはずがない」と。そんなチキン野郎な勇作に「わたしが見てくる。それならいいでしょ?」と幸子。

勇作の案内で車は稚内市内を走り抜けます。光枝が働いていた水産加工場、もし二人の子どもが生きていれば、今ごろは元気に通っていたはずの小学校。勇作、胸がはちきれんばかりです。

道なりに行けばバス停から家が見えるはずだと勇作は言います。しかしバス停に着いても黄色いハンカチは見えません。落胆する勇作たちですが、先のほうまで見に行ったヒロミが大量の黄色いハンカチを発見!

お約束のクライマックスシーンですが、海っぺりの場所なので黄色いハンカチが今にもちぎれ飛びそうなほど強風にはためいています。まるで大漁旗のようです。

幸子達に押し出され、家の前にたたずむ勇作。浜から戻ってきた光枝は勇作のバッグをスッと手に取り無言で玄関へ。少し遅れて勇作も中へ。6年ぶりに再開した夫婦の、あまりにも素っ気ない仕草に日本の夫婦らしさがよく表れています。

これが欧米なら「ハイ、ハニー!」「イエイ、ダーリン! オーマイガッ!」っと騒々しく駆け寄ってブチューッとなるところですが、日本人はそんな下品な真似はしません。欧米人にこの素っ気ない再会シーンは理解できないでしょう。ザマーミロ!

二人の様子を見守りながら、そっと抱き合うマコトと幸子。そんな様子にヒロミは、またイジケ始めます。まったく最後まで面倒くさい奴ですが、映画版の欽也と朱美の絵的に汚いキスシーンよりはいいラストでした。

ウザ過ぎてイラっとくるヒロミ

このドラマでもっとも存在感を発揮していたのがヒロミ。ほんとに頭悪くて気が利かなくて足手まといな奴で、マコトはよくこんな奴をツレにしたなと思うほど。しかも服装までバカっぽくて、今こんな服を着てたら指さされて笑われるレベルです。

前編をとおしてほんとにイラッとさせられるヒロミを、いまやイケオジとなったバイプレイヤーの光石研が好演しています。今作は若い頃の彼の代表作と言っても過言じゃありません。また、この頃の光石研は『男はつらいよ』シリーズにもちょいちょい端役で出演していたので、「寅さん」を観るときに探してみるのも一興です。

勇作と光枝の家は稚内のどこにあった?

勇作と光枝が再会した家があった場所は、稚内市西浜1丁目という場所のようです。ドラマの中で車が止まったバス停が一瞬だけアップで映され「吉田前」と書かれています。バス停の名前で検索してみると、現在は個人宅の名称ではなく「西浜1丁目」という表示に変わっているようです。

海側は当時の建物もなくなっていますが、反対側にある山の形がストリートビューと同じなので、この場所で間違いないでしょう。

画像はDVDからのキャプチャ

Google Mapのストリートビューより

映画版の『幸福の黄色いハンカチ』で使用した家は今でも夕張市に残されていますが、このドラマは存在自体がほとんど知られていないためか、現地にも痕跡が残されていないようです。40年も昔のドラマなので、今では地元の人でもここがドラマのロケ地だったと知らない人が多いかも知れません。

レビュー:総論

菅原文太が主演したドラマ『幸福の黄色いハンカチ』を各話ごと5回に渡ってレビューしてきました。作品概要にもあるとおり、映画よりも時間に余裕があるため幸子(映画では朱美)の失恋や勇作と光枝の馴れ初めなどが詳しく描かれています。

その反面、冒頭のマコトとヒロミがメインのパートは間延びした展開にも感じられ、その分の時間を他の部分に割いてほしかったとも思います。

そうした細かい不満はありますが、結果としては今作を観て良かった! というのが率直な感想です。

映画は高倉健、ドラマは菅原文太が主演となると、どっちがいいかという話になりがちですが、これはもう「両方ともいい!」としか言いようがありません。むしろ映画版しか知らずに『黄色いハンカチ』ファンは自称できないと言っても過言じゃありません。

残念ながら今作はもう中古DVDでしか流通していませんが、今はまだおかしなボッタクリプレミア価格にはなっていないので、入手できるうちにゲットしておくことをおすすめします。