***当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています***

『悪魔の棲む家(1979年版)』じつは実話?なネタバレありレビュー

スポンサーリンク
SF・ホラー
スポンサーリンク

今回レビューする1979年の『悪魔の棲む家』は、古典的なアメリカンホラーの中でも名作のひとつ。特徴的なアーチ型の窓が悪魔の目のように怪しく光る家は、この映画のアイコン的な存在となっています。

今作はよく実話ベースと言われますが、実際は事実と脚色が混ざったストーリーとなっています。

モデルとなった「アミティービル事件」は1974年11月13日、ニューヨーク州ロングアイランド・アミティービルで実際に起きた事件。

当時23歳だった長男のロナルド・デフェオ・ジュニアが両親と兄弟姉妹6人をライフルで射殺。ロナルドは終身刑となって2021年3月に70歳で獄中死しています。わりと最近まで生きていたとは驚きですね。

ちなみに事件があった家は現在もまだアミティービル112番地にあるようですが、Googleのストリートビューで見ると、その場所にはボカシ加工がされています。

これは過去の事件や映画で心霊スポットとして知られているためプライバシーに配慮しているようです。また、特徴的なアーチ型の窓は四角い窓にリフォームされて、当時とは趣きを変えているようです。

今作の背景となった事情についてはWikiPedia等に詳しいので割愛しますが、少なくとも、ここでの一家惨殺事件は実際にあったこと。そして、そのあとに引っ越してきた一家が不思議な体験をしたことは事実のようです。

そこにエンタメならではの脚色が加えられたことで『悪魔の棲む家』はリアリティーを感じさせるアメリカンホラーの名作となり、2005年のリメイク作の他に、2015年の『アミティヴィル・シアター 悪魔が棲む場所』までの13作がシリーズ化されています。

【主なキャスト/作品概要】

  • ジョージ・ラッツ:ジェームズ・ブローリン
  • キャッシー・ラッツ:マーゴット・キダー
  • デラニー神父:ロッド・スタイガー
  • 監督: スチュアート・ローゼンバーグ
  • 原作: ジェイ・アンソン『アミティービルの恐怖』
  • 公開(日本):1980年3月29日
  • 上映時間:118分
スポンサーリンク

『悪魔の棲む家』あらすじ

ジョージとキャシーのラッツ夫妻は掘り出し物の中古住宅を購入して、3人の子どもたちと移り住んだ。しかし、その家は1年前に一家惨殺事件が起こった曰くつきの物件だった。「家に感情はないから」と気にせず暮らし始めたジョージだったが、暮らし始めてすぐに些細なことでイライラするようになる。

そして一人娘のエミーは、ジョディーという「見えない女の子」と話すようになる。キャシーはそんなエミーの言動を最初こそ気にしなかったが、次第にジョディーがこの世の者ではないことに気づく。

感想:今作のいいところは「最初から怖い」ところ

いろいろな映画を観ていると、「まあ焦らんと、じっくり観とけや」と言わんばかりに退屈なシーンで始まる作品も多いんですが、ツカミが大切な今の時代、つまらないイントロに我慢してつきあいたくありませんよね。

ネット時代の弊害なのか、映画やドラマも最初から喰いつかせてくれるキャッチーなイントロじゃないと早々に観るのをやめてしまいたくなります。

しかし『悪魔の棲む家』はイントロから期待感マックスな不気味さです。観る人の不安を煽る不穏なテーマ曲が流れ、アーチ型の窓が光る不気味な家が描かれるところは、これから起こる数々の不吉な出来事を暗示します。

さらに今作はフィルム撮影に特有な画質の暗さや粗さ、そしてアナログな特殊効果が、古き良きホラー映画としての趣きを醸し出しています。

昨今はやたらと古い映画をデジタル・リマスターする作品が増えていますが、古いホラー映画は古いまま楽しむのが、正しい「ホラー道」と言えましょう。

1980年前後はコンピュータ・グラフィックス(CG)が映画に使われ始めた頃ですが、今作は手のかかるアナログな編集作業による特殊効果で描かれているところもプラス要素です。

ハエが大量に発生するシーンは実際に撮影したハエを何度も映像に加えることで実現し、壁から流れ出る血もチューブやポンプで合成血液を送り込むことで描かれています。

また、ハエは不浄や死、悪意の象徴として使われることが多く、悪魔ベルゼブブ(ハエの王)とも関連があり、ハエは家そのものが邪悪な力を持っていることを示唆しています。

ジョージの変貌と幼いエミーの本心

この映画では念願の新居を手に入れたワッツ家が、悪魔の家によって次第に家庭不和を生じていく様子が描かれています。

ジョージは妻キャシーの3人の連れ子たちも愛する気立てのいい男性ですが、この家に越してきてからは些細なことにイラつくようになります。そして言動に変化が起きたのは、ジョージだけではありませんでした。

一人娘のエミーは、ジョディーという見えない女の子の存在を口にするようになります。幼い子どもが架空の友達を創ることは珍しくありませんから、母親のキャシーもジョディーは架空の友達だろうと気にしていませんでした。

しかし、なぜジョディーの霊はエミーとだけ親しくなったのか?

エミーは母のキャシーがジョージと再婚することを、心の底では反対していたようです。それはエミーがジョージのことを、最初は「ワッツさん」と呼んでいたと劇中で明らかにされていることでわかります。

幼いエミーにしてみれば、自分が反対したところで事態を変えられるわけではないとわかってはいたものの、心の底ではまだ母親の再婚に不満だったようです。

そんなエミーの気持ちに呼応して現れたのが、1年前に一家惨殺事件の犠牲となったジョディーという少女の霊でした。

ジョディーはエミーが抱えている寂しさにつけこみ、ジョージに敵意を露わにするよう仕向けます。その理由は、ジョージが自分たちを殺した兄のロナルドにそっくりだったからでしょう。

今作ではジョージが一家惨殺を行ったロナルドと瓜二つだったことから、ワッツ家がこの家に移り住んだのは必然のように描かれています。

なぜジョージがロナルドと似ていたのか? そのあたりの理由は古いアメリカンホラーにありがちな粗さの目立つ筋書きのため描かれていませんが、そうした演出も今作をホラーとして充実させている要素になっています。

『悪魔の棲む家』はストーリーのテンポもよく、約2時間をまったく退屈させることなく楽しむことができます。また、古い映像だけがもつレトロな雰囲気は、近頃のホラー映画には望めないある種の風情をも感じさせます。機会があれば、今作の『悪魔の棲む家』はぜひ一度は観ていただきたい作品です。