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男はつらいよ フーテンの寅 (3作目) シスコン説の原因?

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男はつらいよ
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作品概要

シリーズ3作目となる『男はつらいよ フーテンの寅』は1970年1月15日の公開。

1作目が前年8月、2作目が11月と非常に短期間での制作が続いたため、今作で山田洋次は脚本のみとなり、後に『時代屋の女房』などを手がけた森崎東が監督を引き受けています。

評価:★★★★☆

主なキャスト

  • 車寅次郎:渥美清
  • 諏訪さくら:倍賞千恵子
  • 竜造(叔父):森川信
  • つね(叔母):三崎千恵子
  • 博:前田吟
  • タコ社長(印刷会社の社長):太宰久雄
  • 駒子:春川ますみ
  • 信夫:河原崎建三
  • 染子:香山美子
  • 染子の父:花沢徳衛
  • 旅館の女中:悠木 千帆(樹木希林)
  • 志津:新珠三千代

あらすじ

タコ社長が寅次郎のために縁談を用意するが、なんと見合い相手は寅次郎と顔なじみの女中駒子だった。駒子は亭主に逃げられた挙句、腹には子どもを身ごもっていると言う。

寅次郎は亭主を連れ戻して二人に祝言を挙げさせるが、費用を全額「とらや」で払わせたため家族と大ゲンカに。

旅に出た寅次郎は温泉旅館の女将に惚れて住み込みの番頭として働きだす。ここでも女将の弟と恋人の芸者を駆け落ちさせるが、自分の恋はと言うと……。

感想・考察

今作は個性的な女優陣が存在感を放っています。

まず冒頭シーンで旅館の女中を演じているのは、「悠木千帆」という芸名だったころの樹木希林。晩年は怪優として強烈な存在感を示していましたが、今作が公開された1970年1月15日は彼女の27歳の誕生日。若いころは「千帆ちゃん」と呼べるような愛嬌のあるお姉ちゃんです。

寅次郎の見合い相手を演じるのは春川ますみ。個人的にすごく好きな女優さんです。春川ますみは14作目『男はつらいよ 寅次郎子守唄』にも再登場しましたが、できればタコ社長の奥さん役とかでレギュラー出演してほしかったほどです。

芸者の染子を演じた香山美子の成熟しきる前の美しさは、艶やかさと瑞々しさが同居しているよう。それだけに、後半の作品にマドンナとしてもう一度登場してほしかったと思います。

マドンナの志津を演じるのは新珠三千代。彼女が主演のドラマ『細うで繁盛記』が始まったのは、今作の公開より一週間前の1970年1月8日。こちらも旅館の女将役ですからタイムリーな出演ですね。というより、タイアップでしょうか。

寅次郎は見合い相手の駒子のために亭主を連れ戻したり、志津の弟信夫と芸者の染子のあいだを駆け落ちさせるなど、まるで縁結びの神様かと思わせるほど他人の色恋のために尽力します。それでいて自分は志津の幸せのために身を引く姿は、「寅さん、男はつらいね」と声をかけたくなるほど。

寅次郎という男は自分勝手ではた迷惑な男ですが、誰より義理人情に厚いお人よし。だから多くのファンに愛されていたわけですが、本作ではそうした寅次郎の良さが前面に押し出されています。

寅次郎のシスコン説の原因は今作?

寅次郎にとって理想の女性は妹のさくらだという「寅さんシスコン説」があります。その根拠となっているのが冒頭に出てくるシーン。

悠木 千帆が演じる旅館の女中に「あんた、親兄弟はあるのかね?」と訊かれた寅次郎は、さくらの写真を見せて俺の女房だとウソをつきます。そして女中が出ていってから「いくら可愛くっても、妹じゃしょうがねえや」とつぶやきます。

今作で寅次郎が惚れたのは、細腕で老舗旅館を切り盛りする女将の志津。しとやかさと優しさを備えた志津に、寅次郎はさくらの面影を見たんじゃないでしょうか?

そのさくらを演じる倍賞千恵子の出番が極端に少ないんですが、ちょうど彼女が主演のドラマ『太陽ともぐら』(山田洋次原作・脚本)の撮影と重なっていたためかもしれません。

今作の見どころは、前半の竜造や博との大ゲンカと後半の染子と信夫を駆け落ちさせるくだり。そしてラストの……まで言うのはやめておきましょう。