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男はつらいよ 花も嵐も寅次郎(30作)寅さん、やっぱり好きな女にはちゃんと言葉で伝えなきゃダメなんだよ

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男はつらいよ
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作品概要

「男はつらいよ 花も嵐も寅次郎」は1982年12月28日公開のシリーズ30作目。

マドンナには新進気鋭だった田中裕子を迎え、ヒット曲を連発していた沢田研二が朴訥な青年を演じています。二人が今作での共演をきっかけに交際することになった意味でも話題作となりました。

評価:★★★☆☆

主なキャスト

  • 車寅次郎(主人公):渥美清
  • さくら(妹):倍賞千恵子
  • 竜造(叔父):下條正巳
  • つね(叔母):三崎千恵子
  • 博(さくらの夫):前田吟
  • 満男(寅次郎の甥):吉岡秀隆
  • タコ社長(隣りの印刷工場の経営者):太宰久雄
  • 題経寺の御前様:笠智衆
  • 源ちゃん(寺男・寅の舎弟):佐藤蛾次郎

あらすじ

大分の温泉旅館で、寅次郎は母親の遺骨を納めにきた三郎と知りあう。三郎の母おふみは30年前にこの旅館で女中をしていたことがあり、亡くなる前も懐かしんでいたという。寅次郎は宿の主人に縁のある者を集めて供養をしようと提案。東京から来ていた宿泊客の瑩子とゆかりにも参列してもらった。

翌日、フェリーで帰路につく瑩子に三郎は「ボクとつきおうてくれませんか?」と唐突に告白。おどろいた瑩子は逃げるようにフェリーに乗り込み去っていく。その様子を笑いながら見ていた寅次郎だったが、なりゆきで三郎と瑩子のあいだを取り持つことになってしまう。

感想・考察

三郎役の沢田研二は’77年の「勝手にしやがれ」「憎みきれないろくでなし」、’78年の「ダーリング」、’79年の「カサブランカ・ダンディ」’80年の「TOKIO」など、次々とヒット曲を連発していた絶頂期。

瑩子役の田中裕子は’79年のNHK連ドラ「マー姉ちゃん」に出演。続いて’83年の「おしん」で青年期の主人公を演じ、海外でも広く人気を博していた新進気鋭の女優でした。

沢田研二と田中裕子は今作での共演をきっかけに交際しますが、当時の沢田研二はザ・ピーナッツの伊藤エミ(姉)と結婚していたため、しばらくは不倫状態。’87年に18億円以上もの慰謝料を払って離婚し、’89年に田中裕子と再婚しています。

渥美清の存命中に企画されていた幻の49作目「男はつらいよ 寅次郎花へんろ」は、高知県を舞台に再び田中裕子をマドンナに迎える予定でした。

また、沢田研二は2021年に公開された山田洋次監督「キネマの神様」に、新型コロナウイルスで急死した志村けんの代わりに主演しています。

男はやっぱり顔ですか?

今作は二枚目の三郎と三枚目の寅次郎の対比が面白味を出しています。

最初のころ瑩子が三郎を敬遠していた理由は「二枚目すぎる」でした。それを聞かされた三郎が「寅さん、男は顔ですか?」と尋ねるところが笑うところです。

ふつうは不細工な男が悔しまぎれに言うセリフを二枚目の三郎が、よりによって寅次郎に言う。寅次郎もそっけなく「そうじゃないの?」と答える。このやり取りが最後に「とらや」を出ていく寅次郎のセリフにつながります。

三郎と一緒にいても会話が続かないとこぼす瑩子に、寅次郎が三郎の気持ちを代弁します。ちょっと長いけど、寅次郎のセリフを拾ってみました。

「瑩子ちゃん、わかってやれよ。あいつがしゃべれねえってのはな、あんたに惚れてるからなんだよ。

今度あのこにあったら、こんな話をしよう、あんな話もしよう。そう思ってね、ウチ出るんだ。

いざ、そのこの前に座るとぜんぶ忘れちゃうんだね。で、バカみたいに黙りこくってるんだよ。

そのてめえの姿が情けなくって、こう、涙がこぼれそうになるんだよ。

な、女に惚れてる男の気持ちって、そういうもんなんだぞ?」

このときの寅次郎の顔を見ると、自分の辛い経験を語っているのがわかります。これは間違いなく、前作「寅次郎あじさいの恋」でかがりと二人きりになったとき、ろくに話せなくなった自分の気持ちを吐露しています。

しかし、瑩子には寅次郎のような古い男心は通じません。三郎と観覧車に乗った瑩子は「わたしを好きなの?」とダイレクトに訊き、うなずく三郎に「口で言って」とせがみます。

寅さん、やっぱり女性には目で訴えるなんて、まどろっこしい方法は通じないみたいですよ。

瑩子が三郎との結婚を決めたと聞いた寅次郎は、「さくら、やっぱり二枚目はいいなぁ」と言って旅に出ていきました。

今作のプチトリビア

山田洋次監督にとって特別な名前「おふみ」

三郎青年の亡き母の名前は「おふみ」さん。27作目「浪花の恋の寅次郎」で松坂慶子が演じた芸者の名前も「おふみ」さんでした。

どうして山田監督は「おふみ」という名前が好きなのかというと、山田洋次監督が幼いころに世話をしてくれた20歳くらいの女中さんの名前が「ふみ」さんだったそうです。

監督にとっては、お姉さんのような存在の人だったのかもしれませんね。

ブルーバード、おまえの時代だ

劇中で三郎が乗っている白いクルマは日産ブルーバード。これはきっと、沢田研二がブルーバードのテレビCMのキャラクターをしていた関係ですね。

今作はストーリー的にあまり面白くありません。だいたい、寅次郎が他人の恋を指南するパターンは駄作が多いのが常。※個人の感想です。

見どころと言えば、これを機に沢田研二と田中裕子が結ばれたこと。そして、前作で自分の想いをちゃんと相手に伝えられなかった自分を悔いている寅次郎の心情が吐露される場面くらいでしょうか。

ちなみに、この頃のジュリー(沢田研二)はたしかにイケメンですが、歳をとればちゃんとそれなりになります。