作品概要
「男はつらいよ 旅と女と寅次郎」は1983年8月6日公開のシリーズ31作目。
マドンナは演歌の人気歌手だった都はるみ。彼女のプロモーション映画として観ることもできますが、当時の都はるみが抱えていた恋の悩みを反映した脚本のため、シリーズで唯一リアルとフィクションの垣根が低いマドンナとなっています。
評価:★★★☆☆
主なキャスト
- 車寅次郎(主人公):渥美清
- さくら(妹):倍賞千恵子
- 竜造(叔父):下條正巳
- つね(叔母):三崎千恵子
- 博(さくらの夫):前田吟
- 満男(寅次郎の甥):吉岡秀隆
- タコ社長(隣りの印刷工場の経営者):太宰久雄
- 京はるみ:都はるみ
あらすじ
明日は満男にとって小学校最後の運動会。しかし父親の博は今年も仕事で見に行けなくなってしまった。そこへ旅から帰った寅次郎、博の代わりに自分が応援に行くと張り切るが満男は迷惑そう。それが原因で家族とケンカになった寅次郎は、また旅へ戻ってしまった。
寅次郎は新潟の出雲崎で訳ありふうの女と出会う。一緒に佐渡島へ渡り民宿で酒を飲むが、宿の女将から演歌歌手の京はるみだと聞かされる。新潟公演を控えていたはるみは、失恋の痛手や過密スケジュールの疲れから突発的に失踪していた。
感想・考察
「アンコ椿は恋の花」「北の宿から」など数多くのヒット曲をもつ都はるみが出演した話題作。
役名は「京はるみ」となっていますが、劇中で自身のヒット曲を歌っているため、後半はまるで彼女のプロモーション映画のようになっています。これほど露骨に都はるみのための作品になったのは、渥美清が彼女のファンだったからだそうです。
民宿で寅次郎と酒を飲むはるみが「好きな人がいたんだけど、ダメになっちゃた」と話す場面があります。このころの都はるみは、夫と離婚するも恋人との再婚が叶わなかった時期。そうした等身大の都はるみの体験を反映した脚本になっています。
寅さんによる都はるみのための映画となった今作ですが、彼女のことを知っている世代ならそこそこ楽しめるかと思います。しかし都はるみを知らない世代が観ると「?」という印象しか感じないかもしれません。

