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男はつらいよ 私の寅さん(12作目)さくら、留守番は寂しいよ

男はつらいよ
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作品概要

「男はつらいよ 私の寅さん」は1973年12月26日に公開されたシリーズ12作目。

前半は、旅行に出かけた「とらや」の人たちと帰りをやきもきしながら待つ寅次郎という、ふだんとは逆の立場が見どころです。後半はマドンナりつ子役に岸惠子を迎え、男女のすれ違う生き方と恋心が描かれています。

評価:★★★★☆

主なキャスト

  • 車寅次郎:渥美清
  • さくら(妹):倍賞千恵子
  • 竜造(叔父):松村達雄
  • つね(叔母):三崎千恵子
  • タコ社長(隣の印刷会社の社長):太宰久雄
  • 題経寺の御前様:笠智衆りゅうちしゅう
  • 源ちゃん(寺男):佐藤蛾次郎
  • 柳文彦:前田武彦
  • 柳りつ子:岸惠子

あらすじ

明日からの九州旅行に向けて準備に忙しい「とらや」の人たち。そんなところへタイミング悪く寅次郎が帰ってくる。

自分の帰りが迷惑がられているとひがんで嫌味を吐きまくる寅次郎だが、この旅行は親代わりに育ててくれた竜造とつねのために、さくらが考えたものだった。「ほんとうは、私とお兄ちゃんがしなくちゃいけないことだったのよ」の言葉に、兄としてのふがいなさを恥じる寅次郎。

予定どおり旅行に出かけた「とらや」御一行だが、どこに行っても何を見ても、留守を任せた寅次郎が気になってしょうがない。とうとう予定を切り上げて帰ることにした。

留守番で寂しい思いをした寅次郎は、すっかり心を入れ替えたように見えたが、恋もしないケンカもしない兄に複雑な気持ちのさくら。

ところが幼なじみの妹りつ子と初対面でケンカになったと思えば、一転して恋心を抱くなど、すぐにいつもの調子に戻ってしまう。

感想・考察

いつもは旅から旅への寅次郎と心配しながら帰りを待つ「とらや」の人たちですが、今作では立場が逆転。人は相手の立場にならないとその気持ちがわからないと言いますが、それにしても寅次郎の寂しがりっぷりは小学生並み。いや、今どきの小学生なら、もっと淡々と一人静かに過ごしていられるでしょう。

第8作目『男はつらいよ 寅次郎恋歌』で「兄ちゃんのこんな(旅ばかりの)暮らしがうらやましいか?」と訊く寅次郎に、「一度はお兄ちゃんと交代して、私のことを心配させてやりたいわ」とさくらが答えるシーンがありました。さくらにとっては奇しくも夢が叶ったかもしれませんが、二度と代わりたいと思わなくなったことは間違いありません。

後半に登場するマドンナりつ子は、前作のリリーとも生き方が共通するところがあります。リリーは歌に、りつ子は絵に人生を賭けていますが、りつ子にとって恋愛は心を乱す邪魔なものでしかありません。そこが恋をしたいと言うリリーとの大きな違いです。

しかし、りつ子は「寅さんには友達でいてほしい」と言いつつ、「考えてることと違うことを言ってる気がするんだけど」とも言います。つまり、本音ではりつ子も寅次郎が好き。でも、やっぱり絵描きとして生きていきたいという思いが自分の心にフタをしたようです。

傷心の旅に出る寅次郎はさくらに、もし、りつ子がパンをコーヒーに浸しているような食事をしていたら、あったかくて栄養のあるものを作ってやってくれと言い残して去っていきます。いつもながら、失恋したあとでも相手を心配するところが寅さんの優しいところですね。

今作のレビューを書いている最中の2022年12月9日、源ちゃん役の佐藤蛾次郎さんが亡くなりました。蛾次郎さんはドラマ版の「男はつらいよ」にも寅次郎の弟として出演。映画版では全50作中、事故で出演できなかった第8作を除く全てに出演しています。

交友関係の広かった蛾次郎さんですが、あるとき蛾次郎さんをバカにした酔っ払いを松田優作さんが殴りに行こうとしたため、慌てて止めたということがあったそうです。

今作の中でも、りつ子の兄を殴ろうとする寅次郎に「兄貴、やめとけ!」と体を張る源ちゃんが描かれていますが、きっと優作さんを止めたときも、こんな感じだったのかもしれません。

渥美清さんをはじめ、多くの方たちに愛された蛾次郎さんのご冥福をお祈りいたします。

 

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