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男はつらいよ 寅次郎恋愛塾(35作)樋口可南子と平田満の好演がいいね!

男はつらいよ
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作品概要

「男はつらいよ 寅次郎恋愛塾」は1985年8月3日公開のシリーズ35作。

旅先で世話になった老婆の急死が縁で、その孫娘の恋路を手助けする寅次郎。東京で一人健気に生きる若い女性を爽やかに演ずる樋口可南子と、朴とつな司法浪人を演ずる平田満の好演でほのぼのとした娯楽作に仕上がっています。

評価:★★★★☆

主なキャスト

  • 車寅次郎(主人公):渥美清
  • さくら(妹):倍賞千恵子
  • 竜造(叔父):下條正巳
  • つね(叔母):三崎千恵子
  • 博(さくらの夫):前田吟
  • 満男(寅次郎の甥):吉岡秀隆
  • ポンシュウ:関敬六
  • 民夫:平田満
  • 老婆(若菜の祖母):初井言榮
  • 若菜:樋口可南子

あらすじ

長崎県五島列島を訪れた寅次郎は、そこで知りあった老婆の家に泊めてもらう。しかし、老婆は翌朝未明に急死してしまった。一宿一飯の恩義とばかりに墓穴を掘った寅次郎だが、ヤクザな自分が長居する場所じゃないと早々に教会を立ち去る。

柴又に帰った寅次郎は老婆の孫娘・若菜と再会し、親しくアパートを訪れるようになる。同じアパートに住む司法浪人の民夫は突然あらわれた恋敵が気になってしょうがない。二人が互いに好意を持っていると知った寅次郎は、自分の気持ちを抑えて若い二人にデートの段取りをつけてやる。しかし、若菜に嫌われたと思いこんだ民夫は故郷の秋田に帰ってしまった。

感想・考察

寅次郎が若いカップルの恋をとりもつパターンは駄作が多いのですが、今作は意外と悪くありません。若菜と民夫を中心にして二人のストーリーがきちんと描かれているからでしょう。

海に囲まれた南の島で育った開放的な若菜と、秋田の山の中で育った純朴な民夫。二人の背景が対照的なのもコントラストが効いたキャラ設定です。

また、アパートの大家に杉山とく子、民夫の恩師には松村達雄と、本シリーズではお馴染みのバイプレーヤーたちが脇を固めているのも確実にポイントを稼いでいます。

寅次郎が老婆や若菜と出会った場所は長崎県五島列島の福江島。ここは6作目の「男はつらいよ 純情篇」でもロケ地となったところで、宮本信子が子連れで父親の森繁久彌がいる故郷に帰った島です。

山田洋次監督が五島列島を好むのは、幼いころに世話をしてくれた「おふみさん」というお手伝いさんの故郷だからでしょうか。山田監督は「おふみさん」という名前を27作「男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎」で松坂慶子が演じるマドンナに与えています。

今作でマドンナ若菜を演じた樋口可南子は当時27歳。「ベッドタイムアイズ」や「」などでセクシーなイメージの強かった彼女ですが、今作では妖艶さを封じて爽やか系の女性を好演。

若い世代にはソフトバンクのCMで犬のお父さんの奥さんというイメージしかないかもしれませんが、ぜひ一度は彼女の若いころの作品を観ていただきたいと思います。

司法浪人の民夫を演じるのは「蒲田行進曲」での階段落ちで一躍知名度を上げた平田満。今作では秋田出身の純朴な青年がピッタリはまっています。

YouTubeで「平田満」と検索すると、なぜか「事故死」ばかり出てくるのでビックリしましたが、これはガセネタで現在もお元気のようです。

平田満の出演作をもっと観たいという方には、松坂慶子、風間杜夫と共演した喜劇の名作「蒲田行進曲」を激しくオススメします。寅さんファンの心にはきっと刺さるはずです。

満男の夢と博の願い

満男が将来は音楽家になりたいと言うと、父の博はいちおうは認めながらも、ほんとうは苦手な理科や数学を怠けるためのいいわけじゃないのか? と問い詰めます。いつの時代も子どもと親の希望は食い違うものですね。

もし、満男が苦手な理科と数学を頑張って平均点を上げたとします。すると、少しはレベルの高い高校に行けます。高校でもそこそこの成績をとれれば、次はそこそこの大学へ行けます。

そして行きつく先は、そこそこのサラリーマンです。

一度きりの人生、夢に賭けてみるべきか。それとも無難に手堅く生きるべきか。

当時から教育問題に関心が高かった山田洋次監督なので、こういうシーンにもしっかりと問題提起を入れてきますね。

山田洋次監督ご自身は東京大学法学部卒という超エリートですが、官僚になったり大企業に入った同期の連中を見てなにか思うところがあったのかもしれません。たとえば、子どものころから勉強ばかりするとロクな大人にならないとか。

この頃の日本はバブル景気の直前で、そこそこの企業に入れば高給取りになれた時代。そして、まだ終身雇用と年功序列があたりまえだったので、いい会社に入れば人生安泰という考えが「常識」でした。学歴もなく、しがない印刷工の博にとって、息子の満男にはいい大学へ進んで欲しいという願いがあったのはシリーズの中でもチラホラ見受けられます。

三流大学を出て平凡なサラリーマンになった満男は、紆余曲折を経て50作目「男はつらいよ お帰り 寅さん」で小説家として成功することになります。子どものころから国語の成績は良かったのが功を奏したようです。とすると、苦手な科目を克服するより得意な科目を伸ばしていくのが正解と言えるかもしれません。

もし今作を現代にリメイクするとしたら、このシーンでの博のセリフも違っていたかもしれません。満男が音楽家になりたいと言うと、「好きなことにチャレンジしてみろ! どうせ今の時代、サラリーマンになっても保障はないからな」と答えるかもしれません。

ちなみに、若菜がやっている印刷の「写植」という仕事がどんな作業なのか検索してみました。なんかよくわかりませんが、とにかく根気のいる作業のようです。

ポンシュウがいい味を出している

寅次郎の兄弟分ポンシュウ、いつもは出番の少ない端役ですが、今作ではけっこう寅次郎と絡んでいます。しかも、なかなかのクソッタレぶり。

島で見かけた老婆に「あ~あ、腰曲げちゃって。長生きしてちょうーだいよ!」と悪態をついたり、寅次郎に「やい、てめえまたあの娘に惚れたのか? いい歳こきやがって。へっへ~」と罵声を浴びせたり、しまいには教会に忍び込んで銀の燭台を盗んだりと、なかなかのクズっぷりを見せてくれます。

ポンシュウを演じる関敬六と渥美清とは浅草の芸人時代からの仲間で、一緒にトリオを組んでいたこともあるそうです。また、意外なところではアメリカのアニメ「スーパースリー」で「ボヨヨンのコイル」の吹き替えも担当していました。アラカン世代にとっては懐かしい作品ですね。

出来不出来の差が激しい本シリーズですが、今作はゲスト俳優の好演もあってそこそこの佳作に仕上がっています。きっと当時、映画館に足を運んで観た人もガッカリはしなかったでしょう。

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