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オーメン2 ダミアン:飢餓を利用し世界を征服するアグリビジネスという悪魔たち

SF・ホラー

【『オーメン2』あらすじ】

悪魔の子ダミアンは、彼を刺殺しようとして銃殺された養父ロバートの弟リチャード・ソーンに引き取られ、シカゴで従兄のマークと兄弟同然に暮らしていた。しかし、彼が通う陸軍士官学校の上官から新約聖書の黙示録を読めと言われ、ダミアンは自分の正体に気づかされる。

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前作よりも評価は低いものの、現代にも通じる裏設定がリアル

今作は、とにかく人が4にます。序盤のブーゲンハーゲンから始まり、最後はダミアンを守っていた養母まで、ダミアンの周囲にいる人物が次々と4んでいきます。しかも、「次はこいつだな」とハッキリわかるので、なんのひねりもありません。ここが前作より厳しい評価となった理由でしょう。

自身の正体に気づいたダミアンは、兄のように慕っている従兄のマークに運命を共にしてほしいと頼みますが、願いを拒絶され、マークを念力で56します。その直後にダミアンが見せた悲し気な表情と、駆けつけた養父母に「ボクは何もしていない」とウソをついたところは、彼が人間の心を捨てて、完全に悪魔へと変わった瞬間を表していました。

ちなみに、ダミアンを演じたジョナサン・スコット・テイラー、今作のあとは目立った出演作もなく俳優を引退しています。前作のハーヴェイ・スペンサー・スティーヴンスと同じく、「天才子役」がその後も俳優として生き残るのが難しいのは、洋の東西を問わないようです。

飢餓さえビジネスチャンスに? 将来の食糧不足を見据えた冷酷な資本主義

ダミアンを引き取ったリチャード・ソーンが会長を務める一族の巨大企業「ソーン・インダストリーズ」の上級職ポールは、将来の世界的な食糧不足が大きなビジネスチャンスになることを見越し、改良された農薬と肥料で食糧の大量生産を行うため、発展途上国の土地を買収し始めていました。表向きは「援助」として。

こうした冷徹なビジネスは、いかにも資本主義の権化アメリカらしい発想ですね。食料の生産を支配することは、その国と国民を支配することにつながります。重役のビルがポールの計画に反対していたのも、その計画が人道に反するからでした。

実際に、アメリカでは70年代に入ってから、世界的な食糧不足への懸念が強まっていました。1972年に当時のソビエト連邦(今のロシアやウクライナ)が大凶作に見舞われ、極秘にアメリカから大量の穀物を輸入しています。これによって世界中の穀物在庫が激減し、価格の高騰を招きました。この事件から、食料の自給率が各国で「安全保障」上の大きな課題となりました。

劇中でポールが計画していたようなアグリビジネスは、現実に世界の農業を支配しようとしています。

「ラウンドアップ」という商品名の除草剤をご存じでしょうか? この除草剤は旧モンサント社(現在はバイエル社に買収されています)が開発・発売していたもので、「ラウンドアップ」に耐性をもつ遺伝子組み換え種子とのセット販売で効率的な収穫が得られるというものです。つまり、「ラウンドアップ」は雑草だけを枯らし、農作物には影響しないということです。

そして、モンサント社はこの遺伝子組み換え種子を特許で保護したので、農家は作物から勝手に翌年の種子を採取することができなくなり、毎年モンサント社から種子を購入しなければなりません。とくに、インドのような貧しい国では、高額な種子の購入費用が農家の経営を圧迫しています。

しかも、次第に「ラウンドアップ」に耐性を持つ雑草が出てくると、さらに大量の「ラウンドアップ」を散布することになり、環境への悪影響も出てきました。

日本も無関係ではありません。2018年には、作物の種子を国や地方が開発・普及させることを目的としていた「種子法」が廃止されています。これによって、種子の提供が公的機関から民間企業へと移り、旧モンサント社のようなアグリビジネスが日本の農業にも進出しました。

「ラウンドアップ」の主成分「グリホサート」には発がん性があるとされ、アメリカでは皮膚がんなどを発症した農家への巨額の賠償金の支払い命令まで出ました。しかし、日本政府はグリホサートを黙認するどころか、残留基準の緩和までしています。

日本の農作物は低農薬で安心というイメージですが、実際には日本の農家でも「ラウンドアップ」が普及しているので、私たちは知らないうちに多量のグリホサートを口にしていることになります。日本の食料自給率は30%台しかないと言われますが、このままだと近い将来は巨大アグリビジネスの家畜として飼いならされてしまうかもしれません。

ほんとうの悪魔はダミアン? それとも貪欲な資本主義?

『オーメン』シリーズは、ダミアンという悪魔の申し子が世界を支配しようとするストーリーですが、ほんとうの悪魔の使いは、影から世界を支配している巨大資本じゃないでしょうか?

それを前作のレビューでは「ディープステート=影の政府」と呼びましたが、一部のエリートたちや巨大資本が世界を支配している世界の構図こそ、『オーメン』3部作が一貫して描いている本当の怖さです。

今作は単純にホラー映画として観ると、やたら人が4にまくる駄作に思えます。しかし、地球人口の増加による食糧不足と、それを好機にする巨大アグリビジネスという、現在にまで至る奥深い問題が裏側の設定にある優れた「社会派作品」だと思います。

by カエレバ
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