1976年に公開された1作目のリメイク。なぜリメイクする必要があったのかは不明で、ロバート・ソーンを演じたリーヴ・シュレイバー自身も当初はこの企画に戸惑ったそうです。
「オリジナルを超えるリメイクなし」と言いますが、たしかに旧作のファンにとっては素直に喜んで観ることはできないかもしれません。その点で言えば、1作目の前日譚を描いた『オーメン ザ ファースト』のほうが観る価値は高いように思えます。この作品がなければ、シリーズの背景にある設定がぼやけたまま埋もれてしまったでしょうから。
とは言え、オリジナル版を比較的忠実にリメイクした今作は、なかなか良質なホラー作品だと思います。映画ファンの中には、クラシック作品の映像や雰囲気が好きじゃないという人も多いので、そういう人たちに向けたオリジナル版への橋渡し役としての存在理由はありそうです。
リメイク版の見どころとしては、1968年に米国で公開されたホラー映画の名作『ローズマリーの赤ちゃん』で主演したミア・ファローが、ダミアンのベビーシッター、ベイロック夫人役で出演しているところ。最初から怪しさ満点だったオリジナルのビリー・ホワイトローに比べると、最初は人当たりよくダミアンに近づいていく演出で差別化しています。
この作品が描いている裏の設定は1作目のレビューに書きましたが、シリーズに共通しているのは、この世界が巨大な権力によって動かされているという現実を「アンチキリスト」という悪魔の勢力に見立てて暗喩しているところ。
ラストは「正義は勝つ!」のお約束どおりで、ちょっとチープなエンディングでしたが、いつか、この世界を我々庶民の手に取り戻してくれる救世主を持ち望む声は、オリジナルが公開された1976年よりも現代のほうが強くなった。それが、リメイクされた理由の一つかもしれません。
ところで、きっとあなたは、すでに今作を観てからこのレビューに来たんじゃないでしょうか。では、劇中に1作目でダミアンを演じたハーヴェイ・スペンサー・スティーヴンスがカメオ出演していることには気づかれたでしょうか?
映画が始まって20分くらいのところ、ロバート・ソーンが大使館に到着して車から降りるとき、彼に詰め寄るマスコミの一人として、一瞬だけ出演しています。確かに5歳の頃の面影があるので、すぐにわかると思いますよ。彼が1作目のあと、俳優として成功できなかったのは、とても残念です。
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