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男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花(25作)「夢見てたのよ。ほら、あんまり暑いからさ」

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男はつらいよ
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作品概要

1980年8月2日公開のシリーズ25作目。

浅丘ルリ子が演じる「永遠のマドンナ」リリー3度目の登場。二人で生きる不自由な愛をとるか、一人で生きる自由な孤独をとるか。寅次郎とリリー、似た者同士の恋の行方は?

評価:★★★★★

主なキャスト

  • 車寅次郎(主人公):渥美清
  • さくら(妹):倍賞千恵子
  • 竜造(叔父):下條正巳
  • つね(叔母):三崎千恵子
  • 博(さくらの夫):前田吟
  • タコ社長(隣りの印刷工場の経営者):太宰久雄
  • 題経寺の御前様:笠智衆
  • 源ちゃん(寺男・寅の舎弟):佐藤蛾次郎
  • 高志:江藤潤
  • リリー:浅丘ルリ子

あらすじ

博は街で偶然リリーと再会する。リリーはこれまでに何度か寅次郎といい雰囲気になった旅回りの歌手だ。ひと月後、柴又に戻った寅次郎に沖縄で入院しているとリリーからの手紙が届いた。

沖縄へ駆けつけた寅次郎に感激するリリー。退院後は半同棲生活を始めた二人だが、寅次郎はリリーをほったらかして遊んでばかり。女心のわからない寅次郎に腹を立てたリリーは一人で東京へ帰ってしまった。

寅次郎も柴又に戻った数日後、リリーが「とらや」を訪ねてきた。沖縄での暮らしを楽しく思い出すうち、寅次郎は「リリー、俺と所帯をもつか」と口走ってしまう。

感想・考察

リリーが出る作品はどれも「神回」と言える名作ばかりですが、今回も寅次郎とリリーの、くっつきそうでくっつけない寸止めな関係がうまく描かれています。

リリーが前回登場した15作目「男はつらいよ 寅次郎相合い傘」では、さくらがリリーに代理プロポーズ。せっかくOKをもらったのに、テレた寅次郎が冗談話にしてしまいました。今回は反対に「わたしたち、夢見てたのよ。ほら、あんまり暑いからさ!」と、リリーが冗談にしてしまいます。

駅でリリーを見送るさくらが寅次郎のプロポーズを「あれ、少しは本気だったのよ」と言うと、「わかってた。でも、ああしか答えようがなくて」とリリー。

お互いの気持ちをわかっていながらも結ばれない二人は、まるでなにかのカルマを背負わされているかのようです。

そのカルマを背負わせている山田洋次監督は、「男はつらいよ 寅さん読本」(PHP文庫)の中でこう語っています。

もともと定住することを拒否した二人が一緒になることで、定住する気持ちが生まれてしまう。それで二人はいったい幸せなのかと言えば、自信がない。そういう微妙な気持ちの揺れ動きみたいなものを、この『寅次郎ハイビスカスの花』では描きたかったのです。

「男はつらいよ」シリーズは、寅次郎が特定の女性と結ばれてしまうと話がそこで終わってしまいます。しかし、ファンとしては寅次郎が誰かと所帯をもったパラレルワールドも夢想します。その相手がリリーだったら? ファンなら一度はそう考えてしまうのではないでしょうか。

もしそうなると、寅次郎は意外と働き者でリリーと「とらや」の仕事に精を出している。リリーのきっぷの良さはお客に評判がよくて、店は以前よりも繁盛。

しかし、おいちゃん・おばちゃんは手持ち無沙汰で半ば隠居状態。さくらも邪魔な小姑になってしまいそう。やっぱり寅次郎は独り身のほうがよさそうですね。

細かい見どころとしては、博が電話でリリーに会ったと言っても「リリーって誰だ?」と訊き返す寅次郎。しかし前回から10作も経っていれば女性遍歴も10人。無理もありません。

また、沖縄に行ったきり連絡を寄こさない寅次郎を「ハブにかまれて死んじゃったんだよ、きっと!」と言うおばちゃんのセリフは、ドラマ版の最終回で寅次郎がハブにかまれて死んだことのパロディーですね。

寅次郎にとって「永遠のマドンナ」であるリリーは、今作からなんと15年後に公開された48作目「男はつらいよ 寅次郎紅の花」で再登場します。