横溝正史

映画『犬神家の一族』感想・あらすじ:なぜ佐兵衛はこんな遺言書を残した?

頭部をスッポリ覆うゴムマスク。湖水から突き出た死体の両足。1976年の映画『犬神家の一族』はインパクトのある映像が話題を呼んで大ヒットしました。物語は一代で巨富を築いた犬神佐兵衛が残した遺言書によって、親族のあいだに次々と惨劇が起こります。...
横溝正史

映画『犬神家の一族』 (2006年):同じ脚本でのリメイクは成功したか?

2006年に公開された映画『犬神家の一族』は、角川映画30周年を記念した同名映画のリメイク版。基本的に前作と同じ脚本・演出が踏襲されているのが本作の特徴。また主演の石坂浩二ら数名の他は俳優陣が一新されているので、新旧を観比べる楽しみがありま...
その他

映画『たそがれ清兵衛』レビュー:権力争いに翻弄された剣豪たち

作品概要映画『たそがれ清兵衛』は幕末に生きる下級武士の生き様を描いた時代劇作品。時代や権力に翻弄されながらも家族を愛し、粛々と自分の生を全うした姿が共感を呼びました。時代小説の大家である藤沢周平の短編小説を原作に、『男はつらいよ』の山田洋次...
SF・ホラー

映画『日本沈没』は2025年7月5日を予言していた?地震・噴火の地獄絵図がリアル

あなたは今の日本が危機的な状況にあることをご存知だろうか?今後30年以内に日本が地震や津波におそわれる確率は60〜80%だ。日本海溝・千島海溝地震が60%、南海トラフ地震が70〜80%。この他にも富士山の噴火や首都直下型地震など、これからの...
SF・ホラー

『20世紀少年 第1章 終わりの始まり』レビュー:明るい科学の未来も恐怖の大王も来てくれなかったディストピアな21世紀

作品概要1970年代、あの頃のぼくたちにとって、21世紀は夢と希望にあふれた未来のはずだった。しかし、やってきた未来は夢も希望もない毎日。思い描いた明るい科学の時代は到来しなかったのに、最悪の未来だけが実現しようとしている。秘密基地、5段変...
家族はつらいよ

『妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII』レビュー:もう一度、専業主婦が家庭を守れる世の中に

作品概要とあらすじ『妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII』は、家庭内騒動や社会問題をテーマにした喜劇映画シリーズの3作め。今回のテーマは「専業主婦」です。毎日、家族のために働き続ける専業主婦。その仕事の価値が家族から正当に評価されない。そ...
家族はつらいよ

『家族はつらいよ2』は高齢者の運転と孤独な老後を描いた喜劇仕立ての風刺作品

作品概要『家族はつらいよ2』は、山田洋次監督によるホームコメディー映画の2作め。今回は高齢者の運転と無縁社会という問題を喜劇仕立てで問題提起しています。主なキャスト 周造:橋爪功 富子:吉行和子 幸之助:西村雅彦 史枝:夏川結衣 成子(しげ...
家族はつらいよ

『家族はつらいよ』:妻に熟年離婚を切り出されないようにするには?

作品概要『家族はつらいよ』は3世代同居の平田家に巻き起こる家庭内騒動を描いた喜劇映画。2013年の映画『東京家族』と同一キャストのまま、山田洋次監督が新たな喜劇シリーズとしてメガホンを取りました。主なキャスト 周造:橋爪功 富子:吉行和子 ...
その他

映画『東京家族』は小津安二郎『東京物語』の予習として観るのもあり

作品概要映画『東京家族』は『男はつらいよ』シリーズなどの山田洋次監督による、小津安二郎監督『東京物語』のリメイク作品。いくつかの設定変更はありますが、現代ふうにアレンジされているため、古い映画が苦手という方にも見やすく、『東京物語』と観比べ...
小津安二郎

映画『東京物語』レビュー:つまらないと思っていたけど、あらためて観るといいんだな、これが。

作品概要映画『東京物語』は1953(昭和28年)に公開された小津安二郎監督の代表作のひとつ。地方で暮らす年老いた両親と、東京で暮らす子どもたちのあいだに生じる心の距離感を淡々と冷徹に描いています。主なキャスト 平山周吉:笠智衆 とみ(周吉の...